南フランス・スケッチの旅

平成19年6月8日〜6月17日

平松  久 記


 私にとって、毎年、恒例になっている、スケッチ旅行に今年も行ってまいりました。これは、独立美術協会の乙丸哲延画伯が引率するツアーで、参加者は女性11人、男性6人、それに乙丸先生と女性添乗員の合計19人、6月8日(金)から17日(日)まで、実質7日間の旅でした。

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1  地理的な行程は、左の[地図1]のとおりです。
 フランスの東南部、ローヌ・アルプ、プロヴァンスおよびコート・ダジュールの3地方を回ってきました。

[6月8日:金]
 6月8日(金)10時半に成田を発ち、パリ・ドゴール空港を経て、同日、19時ジュネーブに到着、バスで国境を越え、20時半にアヌシーのホテルに到着しました。所要時間17時間。
2 [6月9、10日:土、日]

 6月9日、10日はアヌシー滞在。アヌシーはジュネーブの北方30キロに位置し、アヌシー湖に面しています。

 湖から運河が掘られ、その周囲にお城や教会がある古い町並みが連なり、観光拠点になっています。

 街の雰囲気はスイスに近いと言われています。

 ホテルは旧市街の外側の新市街にあり、[絵2]はその近くの街並みで、トロリーバスが運行していました。

 [絵3]は旧市街に入る門を描いたもの、[絵4]は運河に架かる橋の上の朝市です。

 [絵5]も運河の向こう側の旧市街で、カフェが連なっています。

 この絵の右側が丘になっていて、もとの領主の館で、現在、博物館になっているお城が建っています[写真6]。

 [写真7]はアヌシー屈指の観光名所、運河の中洲に建っている宮殿付属の建物で、一時、牢獄として使われ、現在、歴史博物館になっています。

 [絵8]はこの建物を反対側から見たものです。

 アヌシー湖は美しい湖で、水が綺麗なことで知られ、運河の取り入れ口に「愛の橋」と呼ばれる橋が架かっています[写真9]。

 遊覧船で湖を一周。遠くアルプスの前衛で雪を戴いた山[写真10]や湖畔の館[写真11]などが見えます。

 [写真12]はアヌシーの遠景です。
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13 [6月11日:月]

 6月11日、アヌシーからプロヴァンス地方のルールマランまで、高速道路で移動しました。 

 ルールマランは緩い丘陵地帯にぽつんとある石造りの村で、ノーベル賞作家カミュが住んでいたことで知られ、また、フランスの中で最も美しい村の一つと言われています。

 [写真13]は村の周囲の風景、[絵14]はレストランなどのお店が集まる村唯一の賑やかな場所、[絵15〜17]は住居です。

 ここで泊まったホテルは村から2キロほど離れた丘陵にあり、葡萄畑を背にした広大な敷地に蔦に覆われた母屋が建っていました。

 [絵18]はその玄関。レストランは別棟になっていて、広いテラスの向こうは草原、その向こうには広々とした丘陵が見渡せます。

 [絵19]は庭からレストランと母屋を見たところ、[写真20]は庭からの眺望です。
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21 [6月13日:水]

 6月13日、ルールマランを後にして、一路南下、地中海のリゾート都市アンティーブからコート・ダジュールの海に沿って東上し、国境の街マントンに向かいました。 
夕方、最後の宿泊地であるマントンに到着、旧市街の手前にある新市街のホテルに入りました。部屋は5階、[絵21]は窓から旧市街の方向を見たものです。遠い岬の左が旧市街、その直ぐ向こうはイタリアです。
22 [6月14日:木]

 6月14日は、終日、旧市街でスケッチ。ヨットが群がる港に面した小高い岡の上に教会があり[写真22]、その周りに旧市街が広がっています。

 [絵23]は教会の横の住居、[絵24]は教会の前から港を眺めた風景です。

 [写真25]は旧市街の情景、[絵26]は裏通りを描いたものです。
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27 [6月15日:金]

 6月15日はイタリアの二つの村を訪ねました。はじめはセボルガ公国。フランスとの国境近くの標高517メートルの山地にあり、西暦959年に建国、その後いろいろな国の支配下で存続し、イタリア共和国発足後も独立を主張しています。
 ただし、外国の国家承認は全く受けておらず、イタリア政府も一つの村と見なしています。主な産業は農業と観光。日本には、2004年に日本セボルガ友好協会が発足し、セボルガ公国駐日通商代表部が置かれているそうです。

 [写真27]は国の紋章と国旗で、国旗は村のいたるところに立っています。[写真28]はある町角です。

 次はドルチェアックア。セボルガから山を降りた近くの高台にあり、お城の廃墟と立派な教会と太鼓橋があります。画家モネが美しさを激賞したことでも有名です。[絵29]はお城と太鼓橋、[写真30]は教会です。
 お城は岩山の上に建っており、この岩山をくりぬいた洞窟に今でも人が住んでいます。
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   [6月16日:土]

 6月16日、マントンの近くのニースからパリに飛び、翌日、成田に帰ってきました。
 今回は天気に恵まれ、雨が降ったのは15日のドルチェアックアで昼食をとっている間に驟雨が襲ってきた時だけで、十分、絵を描くことができました。
 ヨーロッパは絵を描くことに寛大で、店先で多少邪魔になっても文句を言わず、快く描けるように気を使ってくれますし、道行く人も、時々、激励してくれます。
 また、有名な画家が描いたり褒めた風景は有力な観光資源として宣伝されています。

スケッチデータ
 紙:フランス・キャンソン社製「Montval」、24×32cm、300g/m2
   ただし、絵21はアポロ社製「HOMO」F1版、16.5×22.5cm,205g/m2

 絵具:ホルベイン社製透明水彩

 輪郭:絵2,8,16,21,23,29はさくら社製サインペン0.5Φ
     絵3,4,5,14,15,17,18,19,24,26は三菱鉛筆ユニ2B

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