長浜支部「第18回歩こう会」

塩の道「深坂古道・地蔵」を訪ねて

平成20年5月26日(火) 参加者 20名

 ( 顔の部分にマウスポインタを当てると名前が出ます 敬称略)
深坂地蔵堂前にて記念写真

 新緑の空気も爽やかで絶好のウオーキング日和となる。今回は、滋賀と福井をまたがる塩の道「深坂古道」を訪ねることとした。
 JRで塩津駅に集合、まずは塩津海道沿いの集福寺の村落を訪ねる。
 出会った古老の話では、「ここは戦国時代まで12の宿坊を有する集福寺があったが、信長の焼き討ちに会い、今はその面影もない。」とのこと。
 この集落には、夏には、通称「ちゃんちゃこ踊り」が行われるとともに、冬には下塩津神社でのオコナイの神事も盛んだそうだ。けやきの大木のある下塩津神社で安全祈願を行う。
 この集落には、民俗学的にめずらしい「伊香式住居(地床式広間型)」の住居が、今も受け継がれ、数軒存在する。集落をはなれ、しばらく国道8号線を北上。
 深坂地蔵入口の標識を見て、狭い古道に入る。深坂古道は越前と近江をむすぶ最短経路として、多くの人が行き来した峠越えの道。距離は短いが、標高370mの峠越えは旅の難所と言われていた。
 万葉の歌人「笠金村」や「紫式部」も通ったといわれる。
 世界遺産に指定された熊野古道を思わせる雰囲気の古道である。広葉樹に覆われ、新緑がきれいで、落ち葉のじゅうたんの上を心地よく歩くことができるところもあり、ウオークには最適の道であった。
 峠付近には、「深坂地蔵」またの名「堀止め地蔵」がある。平清盛の命で始められた敦賀と琵琶湖をむすぶ、運河工事の最中、岩盤にあたり工事を残念した折、掘り出された地蔵といわれる。
 その後、「塩の道」として「塩かけ地蔵」とも呼ばれてきた。
 ここで、琵琶湖にそそぐ大川の水源となっている「堀止の水」で、のどをうるおし、昼食。
 記念撮影後、なだらかな下りを、木々の緑と草木の花を観賞しながら、歩を進めるとともに、途中、笠金村、紫式部の歌碑に、往時を偲びながら深坂古道出口へ。

  塩津山といふ道のいとしげきを賎の男のあやしきさまどもして
  「なおからき道なりや」といふを聴きて
   知りぬらむ往来にならす塩津山 世に経る道はからきものぞと      紫式部

 福井側の新疋田駅に出て、ここよりJRで長浜方面への帰路につく。
 2時間かけて歩いてきた深坂古道の下に、今は、北陸本線のトンネルが通っており、約5分の通過時間である。時代の流れを感じさせる。
 全行程、約1万7千歩、11kmの歩程であった。
 長浜で、例により有志による懇親・反省会を行い、今回の会を終了した。

 参加者は、次の20名であった。
  東 正一、磯田 智、岩根信次、大村元孝、梶 道信、木下勝康、後藤健二
  笹田憲治、鈴木健治、曾我 健、富岡秀雄、中村利之、西島藤夫、橋本 健
  橋本泰典、馬場智章、村上孝司、森川栄壽、安野孝美、世森幹治
                                                   (磯田 智 記)
集福時村落の下塩津神社 塩津側の古道
深坂地蔵・堀止め地蔵 大川の源流、堀止めの水
広葉樹林を下る 長浜駅前での懇親会

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