第11回OB会作品展

横浜市:神奈川県民ホール第二展示室

平成23年3月7日(月)〜3月13日(日)

(顔の部分にマウスポインタを当てると名前が出ます 敬称略)
出展者の皆さん(最終日)
(顔の部分にマウスポインタを当てると名前が出ます 敬称略)
出展者の皆さん(初日)

 第11回三菱樹脂OB会作品展は、3月7日(月)〜3月13日(日)まで、例年より遅い日程で7日間開催された。
 3月にも拘らず雪が舞い、冬の寒さが逆戻りしたような初日が幕明けで、3月11日に東北関東地方を襲った大惨事に心が痛む幕切れであった。

 本年度の絵画部門は、出展者14名、作品36点、写真部門は出展者19名、作品43点であり、手工芸品1点を合わせて、作品数は80点となり、昨年度の65点を大幅に上回った。

 絵画部門の「油絵」は、比較的大きなものが多く、なかでも奥さんの力作「白い巨岩」が目を引く。竜王峡の碧い水の流れに写り込む白い巨岩が印象に残る。平松さんの女性の肖像画「春を呼ぶ」、相川さんの「里山散歩」、日高さんの「レトロ門司港」は常連の力量を示している。坪井さんの「裸婦」は円熟味が加わり腕を上げている。大阪からの応援出展作品である松本さんの「堺刀司」「大阪中央公会堂」、南野さんの「白崎海岸」「奥津温泉郷」は個性的な描写が光っている。
 絵画部門の「水彩」では、加藤さんの「朝を待つ」は暁闇におけるギボウシの息遣いまで聞こえそうだ。下瀬さんが3点、宮武さんが4点の水彩画を展示されているが、何れも水彩の爽やかさが良く表現されている。今回初めて出展された松村さんの水彩4点は並々ならぬ力量を示している。

 写真部門は、昨年に続き今回も出展された「フォトクラブびわこ」の出展者(石丸さん、岩井さん、片桐さん、西川さん、福原良一さん、福原茂さん、溝口さん、武藤さん)の作品は、琵琶湖周辺を中心とした関西地域の四季の多彩な秀逸作品ばかりである。
 「フォトサークル2000」課題作品は、撮影テーマを「祭り」としたので、例年とは異なり、同じ被写体でも、撮影ポイント、アングル、タイミング等々メンバー各人の個性が発揮されて興味深い作品が多い。「フォトサークル2000」自由作品は、例年「桜花」「紅葉」の作品が多く展示されるが、今回は撮影地が広範囲であり、スナップ写真も増加してより、多彩な作品を見ることができる。題名にも面白いものが多々あった。

 本年度の女性陣は、出展者5名、作品10点と増えており、加藤さんのボタニカルアート2点、金井さんのパソコン画2点、前田さんのアクリル画及び水彩画合わせて3点、山崎さんの写真2点、下瀬さんの手工芸品1点は、それぞれ女性らしく繊細な作品である。

 今回は、会場が地下になり、作品の飾り付けスペースが狭くなったにも拘わらず、作品数が増えたので、とくに写真の場合、作品と作品の間隔が狭く、個々の作品が見難いとの指摘があった。
 最後に今回は、20回の節目に向かって新たにスタートした年であったが、初日の7日は悪天候により来場者の出足は鈍り、東日本大震災の影響で会場は11日の16時以降閉館、12日は休館となり、また最終日の13日は交通の混乱が重なり、会期中の来場者は約420人に留まった。来年は無事開催できるよう祈るばかりである。
                                                     (柳澤知男 記)
会場入口 会場風景

作品一覧 
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相川武夫油 絵里山散歩
 
奥 宗治油 絵白い巨岩(龍王峡)
油 絵亀成川(印西市)
油 絵横浜港舟留
加藤 進水 彩晩秋の奥志賀
水 彩古人形
水 彩朝を待つ
加藤節子ボタニカルアートパティオペディラム
ボタニカルアートカラジウム
金井ヒロ子パソコン画くつろいで
パソコン画ぐうたらしよう
下瀬英樹水 彩谷川岳肩の小屋から
万太郎山に続く稜線
水 彩日当山から甲斐駒ヶ岳を望む
水 彩都筑の緑道(徳生公園)
坪井駿三油 絵裸婦 素描 正面
油 絵裸婦 素描 背面
日高晃一油 絵レトロ門司港
 
平松 久油 絵春を呼ぶ
油 絵対 比
油 絵不確かな静物
前田幸子アクリル画林 檎
アクリル画白い花
水 彩昼下がり
松村俊二水 彩 花
水 彩公園のレストラン
水 彩ザクロ
水 彩箱根・塔ノ沢駅
松本 弘油 絵堺刀司(サカイトウジ)
油 絵大阪中央公会堂
油 絵夏 子
南野彰宏油 絵白崎海岸(和歌山県日高郡)
油 絵奥津温泉郷(岡山県苫田郡)
宮武正浩水 彩舞岡公園バラ園橋(戸塚区)
水 彩イタチ川イタチ大橋(本郷台)
水 彩イタチ川学校橋(本郷台)
水 彩せきれい住宅出入口(港南台)
下瀬澄香手工芸品加賀ゆびぬき
 
   
   
   
青山新太郎写 真ドラムの響き(横浜開港記念祭)
写 真九賽溝2景(1)水中の枯木(こぼく)
写 真九賽溝2景(2)輪廻(りんね)
久保秀雄写 真箱根八里(箱根大名行列)
写 真開港開化(横浜市馬車道通り)
写 真美妓道行(箱根町湯本)
鶴岡英雄写 真神馬一体(富津市大貫馬出し祭り)
写 真木場の角乗(戻り駕籠乗り)
写 真紅葉ロード
永松啓至写 真火を噴く鉄砲(箱根大名行列)
写 真残 照
写 真紅葉暖簾
橋本志眞彦写 真疾風怒濤(相馬野馬追い祭り)
写 真春爛漫
写 真秋静寂
廣江昭道写 真お国入り(箱根大名行列)
写 真紅葉悠々
写 真名残りの花
柳澤知男写 真奴は踊る(箱根大名行列)
写 真霊界と話し中(川崎市浄慶寺)
写 真元気一杯!(箱根町長安寺)
山崎 勲写 真差入れ(佐原大祭)
写 真お堀の秋(滋賀県彦根城)
写 真斜光(東京都新宿御苑)
山崎公子写 真谷の流れ(岐阜県白川村)
写 真初冠雪(長野県上高地)
山本 猛写 真撃ち方始め(箱根大名行列)
写 真びわ湖夕景
吉井道郎写 真やさしい目(日枝神社神幸祭)
写 真
写 真断崖絶壁(山梨県白鳳渓谷)
石丸 孝写 真神事力泳
写 真水辺華やぐ
岩井文雄写 真夜のしじま
写 真残り柿
片桐正行写 真 絆
西川政夫写 真美山の里
福原良一写 真ナイスジャンプ
福原 茂写 真秋風
溝口厚雄写 真なかよし
写 真今年の鬼は・・・
武藤幹男写 真終焉の輝き
写 真霧氷

 3月11日(金)、東北関東大震災の日に、横浜のOB会作品展で受付当番をされた奥 宗治さんの手記を寄せていただきましたので、以下にご紹介します。

<奥 宗治さんの特別手記>
 3月11日(金)震災日は、OB会作品展の受付当番日でした。 
 当日は、交通機関が全面不通となり、結局、同僚の松村俊二さん(水彩画)と二人、その日は県民ホールに泊めていただき、翌朝7:30、みなとみらい線ー東横線と、京急線が始動したという情報を頼りに、帰宅の途に。
 私は、品川から三田までを徒歩で繋ぎ、あとは乗り換え1回で、5時間かけて帰りました。
 帰宅難民とはいえ、県民ホールのスタッフの皆さんの暖かいご配慮に感謝感激の一日でした。

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