「300回の山行」

下瀬英樹さんが30年余で達成

山行きの記録を眺め、感慨にふける下瀬さん
下瀬さんの宝物「山行の記録」は5分冊・760頁になる
300回目の山行を達成した「塔の岳」頂上で下瀬さん

 下瀬英樹さんに、300回の山行をふり返って、思い出を書いていただきました。

 この4月23日の「丹沢・塔の岳」山行で、1976年8月8日の「ヤビツ峠から台の岳」山行以来、 キチンとした記録を取り始めて300回目の山行になる。
 現役時代は、テニスもゴルフもカラッきし下手。子供を山に連れて行っていたのが、いつの間にか主客転倒。山歩きなら技術も要しない。スポーツ音痴でも何とかなると、こちらが取りつかれてしまい、30年余で300回になったもの。肩に力を入れるほどのことではないが、一応の区切り。

 仕事をやっていた頃は、土・日・祝日しか山に行けなかったので、年に数回という年も多かった。この4月、すべての仕事から解放されて、ようやく天気さえ良ければいつでも山に行ける、ありがたい状況に。
 山好きの大先輩・香川重雄さんから、かって頂いた年賀状で、「昨年は月4回、年48回の山行ができました」とのご挨拶をいただき、驚嘆した記憶がある。当時香川さんは76歳のはず。大先輩の記録にはとても及ばないが、これからは年30回程度の山行はしたいものだと考えている。

 30年余、山歩きの記録を取り続けていると、記録だけでも膨大な量になる。パソコンで入力、A4でアウトプットしたものが現在760ページ余。「丹沢・箱根・伊豆」、「奥多摩・奥秩父」、「中央線沿線の山」、「各地の山」、「最近の山」の5分冊になっている。ときどき取り出しては、過去の苦労を反芻したり、次の山歩きの参考にしたりして、今では私の一番大切な宝物になっている。

 ただ歩くだけの山歩きでも、300回ともなると、記録をひも解くといろんなことがあった。

 ・1985年5月8日 吉井道郎さんと南アルプス・北岳に登ったとき。北岳頂上を首尾よく登り終え、さてこれから間の岳・農鳥岳へ縦走しようとしていたとき、掌の上でナイフでリンゴを2つに割ろうとして親指をザックリ。血が止まらず、やむなく縦走は中止、即座に下山となり、吉井さんに多大の迷惑をかけたのもその一つ。

 ・1986年7月 平塚勤務のとき、組合支部が富士登山を計画。早速参加させてもらい、日本一の山頂に登ることができた。組合支部長の宮里さん、書記長の毎田さんが、参加者の世話で大変苦労されていたのも思い出に残っている。

 ・山歩きではないが、1985年4月 古川国男さん、佐藤昌二さんなど有志10数名で山手線徒歩一周したのも懐かしい思い出。仕事が終わって丸の内から歩き出し、翌朝出発点に戻った。勤務が終わって、全員シラフで新橋の飲み屋街を歩いたのは、後にも先にもこのとき以外にはないのでは。普段元気一杯の組合支部の伊藤さんが、徹夜の疲れか、少しバテ気味だった記憶がある。

 300回の山歩きのうち、116回は単独行。通常のハイキング・ルートを取らず、踏み跡程度のかすかな尾根道を、ときには藪を漕ぎながら歩くのが好きなので、他の人に声を掛けにくかったのも一因。人が通らないルートなので、何かあったら一貫の終わり。オッチョコチョイの私でも慎重にならざるを得ない。さいわい、異常事態には一回もならなかった。

 ・1992〜3年ころから、林紀正さんたちとのDF山行が始まり、この5月に筒井久さんを中心に計画している富士山お中道で32回目になる。あまり山歩きの経験がなかった石川治男さん、丸小野政義さんも、最近では元気に歩かれている。

 ・長浜勤務時代に、ちょっと縁があった市役所の三山課長さんたちと余呉湖の奥の山に行ったことがある。その三山さんが、その後山東町長になられ、DF勤務時代に、工場勤務の曽我健さんともども、仕事でも親しくお付き合いさせていただいたのも、山歩きの功徳。

 ・最近町内会の山好きの会に加えてもらい、この4月初め、山梨・大月近くの岩殿山に夫婦で参加させてもらった。年に5回山行をやっているそうで、これからが楽しみ。

 300回は通過点。体が元気なうちは、これからも山歩きを大いに楽しみたいと思っている。結果的に、400回、500回になったら、それもまた良しという気持ち。

追記、
 4月23日、300回目の山行として「丹沢・塔の岳」に登ってきました。当初、塔の岳から表尾根を歩いて、二の塔あたりから下山する予定でしたが、ウッカリ前を歩いている人についていったため、別のルートを下がり、小田急の駅に戻るのに2時間以上余計に歩く失敗をしました。ともあれ、首尾よく300回の山行は達成に。
                                                            (下瀬英樹 記)
(宮下注記) 下瀬さんは、「これまでの山行全リスト」と題した18ページの資料も作っておられるそうですが、このホームページには載せ切れませんでした。

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