第25回「四季の彩り」写真展

永松啓至さん、吉井道郎さんが出展

平成24年1月12〜17日 於、銀座・松坂屋別館カトレアサロン

第25回「四季の彩り」写真展ポスター

 第25回四季の彩り展を見て

 案内状をいただき、銀座松坂屋別館カトレアサロンに行きました。
 今回は、永松さんと吉井さんの出展があり、常連の青山さんは都合があって、今回は不参加と聞きました。
 この展覧会の趣旨の中に、「豊かな自然を持つ日本、私たちの心を和ませてくれる自然、その自然の彩りを、より美しく、繊細に一瞬の輝きを捉える写真:銀塩フィルムと大中判カメラで表現する。」とありました。
 会場では、四季の順に分けて、約200点の作品が展示されていて気持ちよく見ることができました。
 さすがに選ばれた作品ばかりで、誰しもがどこか懐かしさを覚える風景ですが、この一瞬、この視野、この色合い、この形・・よくぞ捉えたものだなあと感心させられました。類似のモチーフが作家によって全く違う主張をしているのを見るのも楽しいものでした。

 永松さんの作品は、「威風」という題名の作品でした。崖の斜面に大きく根と幹を張った巨木が威風を持って迫ってきます。赤黒い幹肌が周りの緑で生々しい力と重量感をより強く見せています。この崖の斜面に種が落ちて芽を吹いて、どっこい生きてきたぞと語りかけてくれるようです。この木は神奈川県中井町で撮ったと書いてありました。機材を抱えて藪の中をかき分けてモチーフに出会って、その周りを動き回ってカメラを据えて光を待って・・永松さんの様子が想像できました。

 吉井さんの作品は、「春の到来」という作品で、水芭蕉の群生を遠景にして、残雪を割って流れ落ちる渓流が春の到来を轟かせています 。残雪の雪面にできた雪が解けてできた大小の穴が小さな滝のように流れる水にリズムを添えているように見えました。暖かい春はまだ先、雪面を渡る湿っぽい風に手がかじかんだだろうなと感じました。この作品は長野県小谷村で撮ったと書かれていました。

 銀座に出る機会が少ないので、今回は家内と一緒に出掛けました。二人とも大きな樹木が好きで、出会うと必ず幹に触れて、耳をつけて精気をもらうことをしています。永松さんもそうしたかなとか。吉井さんはスキーをつけて撮ったのかな、スプーンカットの雪面が滑りにくい春スキーのこととかご両者の作品をサカナにして銀座ライオンでビールを楽しみました。
 ご案内いただきまして、ありがとうございました。
                                (加藤 進 記)
「威 風」 神奈川県中井町(永松啓至さん作品) 「春の到来」 長野県小谷村(吉井道郎さん作品)

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