第26回「四季の彩り」写真展

永松啓至さん、吉井道郎さんが出展

平成25年1月11〜17日  於、東京六本木・富士フイルムフォトサロン

(顔の部分にマウスポインタを合わせると名前が出ます 敬称略)
会場にて、フォトサークル2000の皆さん
第26回「四季の彩り」写真展ポスター

 宮武正浩さんのご投稿を、ご紹介します。

「四季の彩り」の作品を拝見して

 四季の彩り」の開催案内をいただき 東京・六本木の富士フィルムフォトサロンで拝見して来ました。
 日本写真家連盟の主催で毎年開かれるこの作品展は レベルも高く多彩な作品が多数展示(今回も260点近い作品が展示)され、見学者が大勢集まるようです。
 永松啓至さん、吉井道郎さんの作品が出品されていました。

 〇 永松 啓至 さんの「 波 涛 」
 冬の海岸の小岩に打寄せる波・砕ける波が弱い夕陽に照らされる海岸風景でした。「波涛」と名付けられていました。手前の岩は黒く 打寄せる波は白く横に砕けて広がり、光る波は銀色に、遠くの空は灰色と、全体を黒(灰)と白で限られた色で構成された画面は、重厚さとともに動きも含む、どっしりとした写真でした。
 冬日の風吹く中、人影の無い広い海の自然の厳しい風景の描写ですが、それでも横須賀市長井地方のためか、寒さの中にも暖みも感じさせる、奥のある表現に感心しました。
 永松さんの海の表情シリーズの一つかも知れません。

 〇 吉井 道郎 さんの「 初夏の装い 」
 遠くには少し雪の残る山肌、その先に広がる山々。近くの丘は可憐な白い花が開き、紅色の小花が群生して、それを包むように緑の濃淡で広がる絨毯の草木や、背丈の低い榛松の姿に、長く雪の重さに耐え、強風にさらされて来た山の植物が動き出した姿を通じて、夏が来た! 北国の実感風景で表現されています。撮影地が北海道のためか、山は丘のように広がり明るく、地を這う草花も、たくましさとよろこびを見せて、これからの夏の楽しさを強く感じさせてくれます。
 歌にもある”北国の春”に続く季節の一端なのでしょう。

 日本列島北から南まで四季折々の風景を写した作品群は、山・湖・小滝・海・海岸線ありで、雲・霧・雪・光・朝陽・夕陽等が加わり、春・夏・秋・冬に、それぞれの地が見せる、花・樹木・若木・老木・若葉・紅葉・落葉や岩肌・水・氷などの姿を、確かな技術で表現された美しい仕上げの写真は、見る人々を引き付け ます。
 あるいは これらの作品群は、全国から集められた季節の旬の食材を、その地の特長を生かしながら料理した名人の日本料理かな、とフト思いながら、大勢の見学者で賑う午後の会場を後にしました。
 これからも、お二人のますますのカメラ包丁の切れ味を期待して、感想といたします。
                                                    (宮武正浩 記)

 もうひとつ、吉井 靖さんからも、ご投稿いただきました。

 第26回「四季の彩り」写真展 永松 啓至さん、吉井 道郎さんが出展
 平成25年1月11日(金)〜17日(木) 於、東京ミッドタウン・富士フイルムフォトサロン

 第26回「四季の彩り」写真展が、平成25年1月11日(金)から1月17日(木)まで、六本木・東京ミッドタウンにある「富士フイルムフォトサロン」で開催されました。
 気温・9℃、晴天の午後に出かけました。銀座線・青山二丁目から外苑東通りを、左手に乃木神社を見ながらしばらく行くと、「富士フイルムフォトサロン」のある東京ミッドタウンに出ます。

 会場内に入ると、初日の午後ということもあるのか、大勢の愛好者が目に入ります。あちらこちらに三々五々人が集まり、出品者と思しき人が作品を前にして解説をしています。やはり高齢者の人が多数目につきますが、若い人もちらほら見受けられました。そんな人たちの間を縫って鑑賞しました。
 明るい部屋には、春・夏・秋・冬を撮った写真、講師4名と日本写真家連盟の会員179名の183点が2つのスペースに、四季の順に分けて展示され、同時に昨年より始まった公募展の入選作品42名・42点が隣接するミニギャラリーに展示されています。
 今回は、会員の永松さんと吉井さんが出品されており、青山さんはご都合がつかなかったのか、不参加でした。スペース2の右手壁面に永松さんの作品が、左手壁面に吉井さんの作品が、斜めに向かい合うようにして展示されています。

 永松さんの作品は、神奈川県横須賀市長井町で撮った「波涛」、大中小の岩に波が寄せている作品。水平線、大きな岩、中程度の岩、小さな岩、太陽の光りに映える波などの構図が印象的です。遠目には鰭を現して魚群が泳いでいるようにも見えますが・・・。

 吉井さんの作品は、北海道東川町で撮った「初夏の装い」、比較的平らに見える山や丘に草花が咲き始めている作品。遠くに見える白い残雪、芽吹きだしている赤や緑の草花、咲き始めた白い花などの構図が印象的です。こんなところで寝転んでいたらと思わせる場所ですが・・・。

 さすがに腕自慢の人たちの作品です。こんな場所で、こんなものを、こんな瞬間に、と思わせるような作品です。思わず現地に行ってみたくなるような写真もありましたが、素人目には奇をてらった?と思われるものもありましたが・・・。

 会場を出て、その足で、ミッドタウンの敷地内にあるガレリア3階「サントリー美術館」に行きました。
 ここでは「森と湖の国 フィンランド・デザイン展」を開催していました。18世紀後半から現代に至るガラス作品約150点が展示されています。会期末が近いこともあるのか、多くの人が鑑賞していました。
 暖房の効いたビルから外に出ると、太陽も西に傾き、寒気が身に沁みる中を、千代田線・乃木坂に向かい、帰路につきました。
                                                     (吉井 靖 記)
「波 涛」 横須賀市・長井町 (永松啓至さん作品) 「初夏の装い」 北海道・東川町 (吉井道郎さん作品)

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