第80回記念東光展 田中一英さんが出展
平成26年4月25日(金)〜5月10日(土)
上野公園・東京都美術館
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田中一英さんの作品 「コンビナート」 P100号 |
「東光展」出品の田中一英さんの作品を拝見しての感想
上野の東京都美術館で開催している「第80回記念東光展」に出品している田中一英さんの作品を拝見して来ました。
多くの出品作品とともに、壁面に並べ展示されている油彩画(P100号)の大きな作品で、「コンビナート」と名付けられていました。
周りの人物画や風景画と較べるとやや地味?なモチーフと感じましたが、どっしりとした迫力のある絵は存在感ある異色の作品でした。
中央部の卵型の槽・左右の塔、それを繋ぐ各種の配管類と手前の小さなクーリングタワーや水タンク(ヒシタンク?)等の循環形の装置が描かれていました。
年月の汚れやサビなどを含めて、茶系とグレー系の色調の装置は、既にかなり生産歳月を経て来たものと思われます。
静かに?位置する装置の一部から水蒸気の噴き出しが見えますので、まだまだ現役で稼働しているのでしょう。
慣れた筆さばきに、少ない色数の色調と機能が構成するダイナミックな装置の姿・形は調和して美しく、すばらしい構図の工場作品と思いました。
一方 後の青空にやや多い雲が広がる背景は、盛時を過ぎつつある物の暗示の表現とも見えますし、現実のほどは知りませんが、新聞などにある
同業各社の設備集約と削減で、近年大きく変わり行く石油?コンビナートの
退役設備への“惜別の思い”の表現とも、小生には見えました。
東光展に出品された田中さんの作品郡は、小生が知る限りでは「病院夜勤の看護婦の働く姿」や、昨年の「武雄の大楠の永年生き続ける雄姿」や、今年の
「化学コンビナートの生産設備」などの作品に共通して、“ご苦労さん”と呼び掛けている作者の意図と心境の投影が、見えるようにも思います。
次々に作品を出品される気力・体力にはあらためて感心いたしますとともに、ますますのご進展を期待して、小生の勝手ながらの感想といたします。
(宮武 正浩 記)
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