第50回記念全展に奥 宗治さんが出展
東京・上野の東京都美術館
平成24年8月21日〜30日
奥さんが特選の「金賞」を受賞
第50回記念全展を観賞して
新しく改装なった上野の東京都美術館で開催されている全展に出品されている、奥 宗治さんの作品を拝見して来ました。
作品のレベルの高いこれまでの「全展(全日本美術協会)」でしたが、50回記念の今回は、とくに質・点数も高いように見受けました。
入口近くに展示されたF100号の大きい作品はすぐに判りました。
森林の巨木を中心に、脇に抱え込まれたように立つ中木と、手前の根の間から伸びようとする若木を描いた作品でした。
巨木は四方に大きく根を張り、幹の一部は既に朽ちて穴があるものの 太く上に伸びているのでしょう。
脇の中木は、伸びる空間を遮られながらも、抵抗しながら上に横に枝をたくましく伸ばしているようです。
手前の若木は、まだまだ細いながらも、同じ根から伸びた芽か、あるいは別な芽か、やっと葉を付けるまでに成長したようです。
山の奥の限られた空間に、巨木と中木と若木が攻めぎあって、逞しく成長する姿を描いた作品は、それぞれの木のこれまでの歴史・
葛藤を思い起こさせ、今後の成長も考えさせる奥の深い絵でした。
奥さんが目敏く見つけた?モチーフは”生きる”と名付けられた主題にピッタリで、奥山の暗さは感じられず、大自然の世代と逞しさを的確に
表現し、存在感ある作品に構成されており、感心いたしました。
結果は、特選の「金賞」ということで、50回記念展にふさわしい名作と評価されたようです。 おめでとうございます。
拝見記念に、POSTーCARDを一葉購入して来ました。
(宮武正浩 記)
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